鈴鹿の結果ですが、僕とニシ君のアバンティは最終戦だったので、チャンピオンが決定しました。
他はナオさんのKTもオオキ君のX30も12月に最終戦があります。
前日はそこそこだったナオさんですが、タイトラで路面の状態にシャーシーが合わないらしく、どうにもタイムが上がりません。
予選では1コーナーのクラッシュの煽りを受けて、そのままストップ。敗者復活戦行きとなります。
敗者復活戦は11番手からしっかりと6位に食い込んで決勝進出となります。
決勝の最後尾から追い上げますが、ナオさんのシャーシー対策は十分な状態とは、ならなかったようで、苦しみながらの決勝となって、終了です。時々、こんな症状になるナオさんですが、きちんとテストをして、原因を解明していと思います。
次にオオキ君ですが、上向いた調子を維持したいところですが、あまり良い状況とは言えず、タイトラでも後方となってしまいます。
予選でスタート直後の1~2コーナーでクラッシュを避けて、ダートに飛び出してしまい、集団から大きく遅れます。
決勝は、かなり上向きましたが、スタート位置が悪かったので、中段で終了です。X30ではもう少し修行がいるようです。
さて、最後は僕とニシ君のアバンティです。まず僕は前日までの不調を引きずりながらのレースとなりましたが、タイトラで上手くアタック出来て、セカンドタイムとなりました。ニシ君はフレッシュタイヤを上手く活かせずに、かなり後方です。
今回はエントリー台数が27台と、今年最多となったので、タイトラは重要です。
ポールポジションを獲得したドライバーはランキングでは関係のないドライバーなので、僕とタイトル争いをしている鈴鹿のライバルは僕の後ろからのスタートになりました。
予選がスタートして、僕はトップに立ちますが、スピードがある訳ではないので、当然、抜かれたりもします。
しかし、すぐに抜き返して、そのままトップを走ります。
残り2周となったところで、2位のドライバーに1コーナーで抜かれて、順位を下げます。
ストレートの速い、そのドライバーの直後に付けますが、ファイナルラップの裏ストレートで離されて、抜ける間合いではなくなってしまい、「これは2位かな?」と思ったところで、トップの選手が3コーナーでオーバーランをします。
抜く気が無かった僕ですが、ガラ空きのインに自然にカートは向いていて、トップに立てるかと思ったのですが、急激にインを閉められて接触してしまいます。
かなりの衝撃でフレームが曲がったらしく、右コーナーがまったく曲がりません。
接触直後の失速で3位に落ち、最終コーナーまでなんとか走りますが、アウト側から抜きに来たドライバーに激しくぶつけられて、2台共にスピンでコースを塞ぐ形になってしまいます。
直後を走っていたドライバーさん達は頑張ってよけてくれたのですが、次々と向かってくるカートの中の1台が真正面から僕に衝突して、僕のカートは大破してしまいます。僕は腰と尾てい骨を打ちつけますが、クラッシュ直後はアドレナリンのせいで、痛みはまったく感じずにいました。(お昼休みが終わる頃には、酷く痛み始めて、現在は座っていられないほど痛いです。シートも割れていたので当然ですね。)この混乱を上手く切り抜けたニシ君の決勝グリッドは8位です。
僕のカートはフレームが激しく持ち上がってしまっていて、ホイールベースも大幅に狂ってしまいましたし、絞りの部分はペシャンコにつぶれていました。
激しいクラッシュに沢山の人が僕の様子を見に来てくれましたが、シャーシーの損傷の酷さにすっかり同情されてしまいました。当然、決勝リタイヤによって、タイトル獲得も不可能になる事から、慰めの言葉をかけてくれる人もいました。
最終コーナーで接触したドライバーは車検場でも謝ってくれましたし、パドックに戻ってからも現れて、重ねて謝罪を受けました。
直接、タイトルを争っていた相手だけに、咄嗟の判断で起きたアクシデントだったと思いますし、済んだ事ですから、仕方ありません。ただ、まだ予選だった事を考えると、残念な接触だったと思います。
そんな訳で、メカのとくさんと、「どこまで、バラす?」と使えるパーツの選別をする形でしたが、だんだんと、このままリタイヤして決勝をコンクリートウオールから見守るのは、なんだかとても悔しくなって来て、ダメでも良いので、なんとか直せる部分は直して、グリッドには付きたいと思い、とくさんやすーさん、チームのみんなの手を借りて、ダメもとの修復作業を開始します。
僕たちのパドックの前を通る人達は、あそこまで曲がったカートを直すのか?と興味津津です。中には他のショップのオーナーさんで、「そんなのがちゃんと走ったら、クラッシュしてカートを買い替える人がいなくなるよ。」なんて言う人もいました。確かにその通りだと思います。ミリ単位のアライメントを調整するセッティングが勝敗を左右したりするのですから、つぶれてしまったパイプや何センチも狂ってしまったフレームをどう直しても、とてもまともに走れるとは思えません。
ともかく、まずはグリッドにカートを並べて、ローリングに飛び出して、どうにもならないと思えば、素直にピットに戻れば良いと思いました。
何もしないで終わりたくなかっただけで、修復中も「無駄な事をしてるなぁ。」と思いながら作業していました。
みんなの協力があって、なんとか形だけは、元に戻りました。パイプは潰れたままですし、寸法もメジャーで測って、ある程度合ってるってだけですが、とにかく、グリッドに付けられそうです。
いよいよ決勝の時間です。僕のグリッドは23番手です。
とくさんが、グリッドまでカートを運んでいると、沢山の人が「決勝に出れるんですか!?」と、とても驚いていました。
そして、コースインです。ローリングでウエービングをしていると、右コーナーは酷く曲がりませんが、左コーナーはそれほど酷くありません。ローリングでピットに戻る事はなさそうです。
そして、いよいよスタートです。1~2コーナーで上手く数台抜いて、3~4コーナーでも抜けます。その後も抜いて、1周目で10台ほど抜く事が出来ました。
そのまま順位を上げ続けますが、トップ3台はかなり逃げてしまっています。
すると、前方に4位の選手が見えて来て、なんと!それはニシ君です。いつも酷い土曜日のせいで、なかなか結果が出なかったニシ君が上位を走っています。やがて、ニシ君に追いついて、パスして4位に立ちますが、シャーシーの状態はどんどんと悪化してきていて、右コーナーだけではなくて、左コーナーも曲がらなくなって来て、先ほど抜いたドライバーにも抜かれそうです。
もっと軽度な修正でも、走っているうちに、どんどんど元に戻って来てしまうのがシャーシーなので、常識では直すようなシロモノでは無かった僕のマラネロはいよいよ厳しい事になって来ました。
しかし、僕とタイトル争いをしている、もう一人のライバルもトップに立ったり、2位になったりしています。僕がこのまま4位で終わった場合、彼が2位なら僕がチャンピオンです。彼が勝った場合は同点になって、彼の方が優勝回数が多くなるため、僕はランキング2位となってしまいます。
どちらにしても、僕は4位でフィニッシュが絶対条件なので、なんとか4位を守りながら、前を走るライバルの様子を見つめるしかありません。
そして、いよいよファイナルラップとなり、僕は4位でフィニッシュしますが、ライバル君も優勝して、本当にあと一歩の同点での2位となってしまいました。
チェッカーを受けて、車検場に戻ると、周りのドライバーから凄く驚かれました。パドックに戻る途中でも沢山の人から握手を求められて、優勝した訳でもないですし、チャンピオンも逃したのですが、みんなとても喜んでくれました。
僕自身も、タイトル獲得出来なかった事と優勝出来なかった事は悔しい事ですが、諦めずにみんなでカートを修復して、厳しいレースで、精一杯最後まで走った事で、不思議と清々しい気分でした。
お昼ご飯も食べずに、僕のカートの修復をしてくれた、とくさんや滝本さんが僕の追い上げをとても喜んでくれたのも嬉しかったです。
ニシ君ですが、最後は8位フィニッシュです。
そんな訳で、今年もチャンピオンとか獲れませんでしたが、久しぶりに集中した決勝だったように思います。
しかし、シャシーも無くなっちゃって、いよいよ本当に潮時でしょうか?今シーズンも終わりに近づいて、またこの難問との格闘が始まります。